国際リニアコライダー(通称ILC)は超高速の粒子衝突実験を行うための加速器計画を指しています。 テレビなどでよく見るCERNのLHCなどで使われる加速器は円形のものが多いと思いますが、これは直線型です。 リニアとは直線のこと。 ちなみにコライダーは衝突(コライド)させるもの、という意味です。 約30kmの直線加速器を地下につくり、そこで衝突実験を行う計画です。 超高速で粒子を激突させることでビッグバン時に近い超高エネルギー状態を再現し、さまざまな研究が行われます。 LHCは陽子同士を衝突させる設備ですが、ILCは電子と陽電子を衝突させる設備です。 陽子のような重い粒子の場合、衝突エネルギーを大きくすることが容易ですが、陽子は素粒子が複数集まってできています。 そのため衝突後に散らばる素粒子をひとつひとつ観測するのが難しくなります。 電子・陽電子はそれひとつで素粒子なので、より精密な観測ができるというわけです。 ヒッグス粒子の精密な測定や、ダークマターの発見、ダークエネルギーの解明などが期待されています。 衝突時のエネルギーは1TeVを目標としています。 これだけ大規模な施設が必要なため、当然お金もそれだけかかります。 国際協力プロジェクトということで各国から資金が注入されるわけですが、建設場所にとってはとても活気づく大きな事業となるわけですから、多くの地域が建設場所として手を挙げています。 日本においては九州の脊振山地などが候補地として名乗りを上げています。※↑に関してココもおすすめ |
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